抄録
マウス肝炎ウイルス(MHV)-JHM株に持続感染したDBT細胞からクローン化した細胞について, 持続感染の成立に関与する細胞因子を解析した. 分離された12細胞株中1細胞株でのみウイルス粒子の産生が認められ, ウイルスRNAおよびタンパク質が検出された. 他の細胞株では, ウイルスRNAは検出されたがウイルスタンパク質は検出されず, あるいはウイルスRNAとタンパク質はともに検出されなかった. すべての細胞株で細胞融合活性が阻害され, またMHV-JHM株の重感染に対して程度の差はあるが抵抗性を示したことから, 持続感染細胞での細胞因子の変化が示唆された.