Journal of Veterinary Medical Science
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乳牛の穿孔性乳頭損傷に対する縫合法の検討
Ghamsari Seyed Mehdi田口 清阿部 紀次Acorda Jezie Alix佐藤 基佳山田 明夫
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1995 年 57 巻 5 号 p. 819-824

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抄録

実験的に作製した乳牛の穿孔性乳頭損傷に対して単層縫合法 (Gambee縫合法), 二層連続縫合法 (粘膜をCushing氏縫合法, その糸で皮膚及び中間層を連続水平臥褥禅縫合), 二層分離縫合法 (粘膜を連続縫合, 皮膚と中間層を垂直褥禅縫合) 及び三層縫合法 (粘膜を連続縫合, 中間層を連続縫合, そして皮膚を結節縫合) を施し, 各乳頭縫合法の治癒過程をX線撮影所見, 局所の血流量, 抗張力, 組織中のハイドロキシプロリン量及び病理組織所見から比較検討した. 三層縫合法では乳頭の変形や血流の阻害が極めて少なく抗張力に富み, 穿孔性乳頭損傷に対する縫合法として最も優れた縫合法であることが明らかにされた. 単層縫合法と二層連続縫合法では粘膜の肥厚, 二層連続縫合法及び二層分離縫合法では皮膚の外翻, 各層癒合面の不整及び肉芽増生などの変形が認められた.

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