Journal of Veterinary Medical Science
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A. pleuropneumoniae を気管支内接種した豚の肺炎発生における気道の物理学的防御効果
成田 實川嶌 健司両角 徹雄高島 久幸
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1995 年 57 巻 5 号 p. 839-844

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抄録
Actinobacillus pleuropneumoniae 1型菌を気管支内に接種し, 急性および亜急性の壊死性胸膜肺炎を誘起した. 0.25mg/kgのアトロピン注射, または気管支内キシロカイン噴霧処理により, 粘液分泌または線毛活動を抑制した豚では, 2頭が A. pleuropneumoniae (320 CFU/2ml) の感染後, 36時間以内に死亡した. その特徴病変は, 肺胞・小葉間結合織の水腫と多発性の血栓形成であった. 生存例における肺炎の程度は, 6,000CFU/2mlの菌を接種し薬剤非処理の対照豚のそれと類似していた. リンパ節では, 菌抗原に反応して樹状細胞の活性化, IgG- およびIgM- 保有細胞の増数が著明であった. 以上のことから, A. pleuropneumoniae の粘膜への付着が, 肺炎形成に強く影響することが示唆された.
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