Journal of Veterinary Medical Science
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嘔吐型食中毒由来セレウス菌の産生するHEp-2細胞空砲化変性因子(セレウリド)のマウス致死活性(短報)
品川 邦汎上野 泰照胡 東良上田 成子杉井 俊二
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1996 年 58 巻 10 号 p. 1027-1029

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抄録
「嘔吐型」食中毒由来セレウス菌の産生するHEp-2細胞空砲化変性因子(セレウリド)は, スンクスの静脈および腹腔内投与により嘔吐と同時に, 致死活性を示すことが明らかになった. さらに, 致死活性はマウスでも認められた. 本因子の嘔吐および致死活性は, 121℃, 15分の加熱, pH 2および11, およびトリプシン, ペプシン酵素などの処理によっても失活されなかった. これらの結果から, セレウリドは消化管内でも安定であり, 嘔吐を引き起こし, さらに, 細胞障害などによる致死活性を示すものと考えられる.
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