1996 年 58 巻 3 号 p. 259-261
Babesia gibsoniの赤血球に対する障害作用を検討した. B.gibsoniの培養では, 原虫増殖の最大時に測定した赤血球内メトヘモグロビン(metHb)濃度およびマロンジアルデヒド(MDA)濃度は, 培養開始時よりも有意に高値であった. また, 高度の原虫血症を呈したB.gibsoni感染犬のmetHbとMDA濃度は, 非感染犬よりも高かった. さらに正常犬骨髄マクロファージは, 原虫非感染培養赤血球よりも原虫感染培養赤血球を多く貪食した. これらの成績はB.gibsoni増殖により赤血球が酸化障害を受けることを示唆している.