Journal of Veterinary Medical Science
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オーエスキー病ウイルスの糖タンパクgB, gC, gDおよびgEを発現するウシヘルペスウイルス-1型(BHV-1)組み換え体の免疫原性
大塚 治城玄 学南柴田 勲森 正史
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1996 年 58 巻 9 号 p. 819-824

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抄録
オーエスキー病ウイルス(PRV)糖タンパクgB, gC, gDおよびgEを単独あるいは複数で発現するウシヘルペスウイルス-1型(BHV-1)組み換え体の防御免疫効果を調べた. 組み換えBHV-1をマウスに接種し3週後にPRV強毒株で攻撃した. PRVのgC, gDおよびgEを発現するBHV-1/TF7-1を接種されたグループにおいて, 20LD50強毒PRVによる攻撃からは7匹全部が防御されたが, 100LD50による攻撃に対しては7匹中6匹が防御された. PRVgB, gC, gDを単独で発現するBHV-1組み換え体をマウスに接種した場合, それぞれ防御効果を示したがBHV/TF7-1の効果には及ばなかった. 組み換えBHV-1接種を受けたマウスの血清をWestern blot法で調べた結果, それぞれの組み換え体が発現するPRVの糖タンパクに対する抗体が単独あるいは複数で生成していることが判明した. PRVに対する中和抗体価は, PRV攻撃に対し防御効果が低いPRVgBを単独で発現する組み換え体(BHV-1/TF6-1)を接種したマウスから得た血清が最も高い価を示し, 防御効果の最も高いBHV-1/TF7-1を接種したマウス血清の中和抗体価は比較的低かった.
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