可視化情報学会誌
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鉄道総研大型低騒音風洞
井門 敦志
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2012 年 32 巻 124 号 p. 26-31

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抄録
  鉄道車両の高速化や環境意識の高まりにより,空力音や空気抵抗低減を始めとする空力現象の解明が大きな課題となっている.鉄道総合技術研究所では,鉄道車両の空力現象を研究するために,1996年に滋賀県米原市に大型低騒音風洞(米原風洞)を建設した.米原風洞は,鉄道用風洞として世界トップクラスの規模と性能を誇り,以下のような特徴を持っている.
・空力音の風洞実験を行うために,風洞の暗騒音が十分低い.
・測定部が十分長いので,複数編成の鉄道車両模型の実験が可能であり,また,測定部の上流域にスパイアやラフネスブロック等を設置し自然風を模擬した風洞実験が可能である.
・地面付近の流れを模擬するために,境界層吸込装置およびムービングベルトが装備されている.
米原風洞は,鉄道分野以外の分野(自動車,航空機,建築物等)でも活用されている.鉄道総研では,今後とも米原風洞を活用し,空気の流れに関わる研究開発を進めてゆく予定である.
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© 2012 社団法人 可視化情報学会
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