可視化情報学会誌
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飛行する鳥の群れの計測と解析
水口 毅右衛門佐 誠早川 美徳Gábor VásárhelyiMáté Nagy
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2017 年 37 巻 144 号 p. 14-19

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抄録

 飛行する鳥の群れの動的挙動に着目し、数理科学的な観点から解析を行った。ステレオカメラによってユリカモメの飛行動態を記録し、個体の三次元的な位置を再構築した。その時系列を解析することで、各個体の速度や羽ばたき振動、そして個体間の相対位置を定量化した。それらのデータを運動学的な側面から解析した。相対位置の分布からは、群れの形状が高さ方向に薄いことと、追尾する個体は先行する個体の直後を避け、やや斜め後ろを好むことが明らかになった。これらの特徴は、翼端渦が生み出す空力学的な効果を利用しているという従来提唱されたシナリオを裏付けるものである。また、進行方向の相対位置と飛行方向に関する遅延時間の間に定量的な関係があることも示された。同様の解析はGPSによるハトの自由飛行データにも適用された。その結果、種や状況に依存する特徴もあれば、依存しない性質もあることが判明した。またハトのデータからは群れの内部運動を特徴づけに成功した。

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© 2017 社団法人 可視化情報学会
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