2018 年 38 巻 149 号 p. 7-10
地震・火山活動は主に、地球のもっとも外側にある”地殻“において発生する。このうち、2016年熊本地震、2000年鳥取県西部地震などの日本列島内陸部で起こる”内陸地震“は我々が生活している場所直下で発生することから、甚大な被害を及ぼす場合がある。地震の断層をとりまく地域に働く力、構造、物性などによって地震の発生が左右されるが、その詳細がわかっていない。地殻の活動に関する情報を領域全体でとらえることができるように、われわれはたくさんのセンサーを地震発生域に設置して観測を始めた。多点で地殻活動を捉えることにより、
・断層を取り巻く領域の力の場を推定し、断層の状態を検出する。
・震源付近の地震波速度構造を推定する。
・観測網に伝播する波動場を捉え、地震波散乱体構造を求める。
以上が可能になると考えられる。。これらの情報を可視化することにより従来になかった地殻活動の描像が可能になることが期待できる。