2019 年 39 巻 154 号 p. 19-25
近年,コンピュータシミュレーション技術の発達によって,これまで取り扱うことのできなかった様々なシステムの再現,可視化が行われるようになってきた.散逸粒子動力学(DPD)法は分子シミュレーションの一種だが,原子や分子をある程度一纏めとして扱うことで,従来の分子シミュレーションよりも大きな時空間スケールの現象を再現できる.本稿では,DPD法の歴史,アルゴリズムを簡単に説明したあと,これまで筆者が対象としてきたいくつかのソフトマター材料(界面活性剤,ナノ粒子,液晶,高分子膜・生体膜)に対するDPDシミュレーションについて紹介する.