抄録
67歳女性。2006年5月から右鼠径腫瘤を自覚し,CTで右鼠径から総腸骨動脈周囲に病変を認め18F-FDG-PETでは同部に集積を認めた。生検の結果Langerhans細胞肉腫と診断された。免疫染色ではMIB1 index 30%を認めた。軟部肉腫に対して有用性が報告されているdoxorubicin, ifosfamide, mesna (AIM)療法による化学療法5コースを施行し,残存病変に対し放射線照射を追加した。2008年に頸部再発をきたしたが追加照射を行い,現在に至るまで4年間寛解を維持している。本疾患はまれであり標準的治療レジメンはいまだ確立されておらず,AIM療法は選択肢として考慮しうるものと考えられた。