可視化情報学会誌
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39 巻, 154 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集記事
  • 山本 憲, 山田 格
    2019 年39 巻154 号 p. 1
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
  • 川嶋 大介, 角田 直人
    2019 年39 巻154 号 p. 2-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    本稿は、マイクロ流体チップ向けに開発した近赤外吸収イメージング法に関する原理およびイメージング装置について総括した。近赤外吸収イメージング法は,水分子の振動モードに対応する近赤外吸収バンドを利用し、温度変化や溶質濃度変化と水分子の振動モードとの相関により影響温度・濃度イメージングを行う手法である。この近赤外吸収バンドの特性から温度・濃度に感度のある波長を抽出し、イメージングセンサに取り込み、画像演算を行うことで温度・濃度イメージングを可能とする。実験ではマイクロ流路内水溶液の反応拡散現象を対象とした可視化実験を取り上げ、チップ内の反応拡散に伴う濃度変化をイメージングした。実験結果により温度・濃度分布を取得と、反応拡散現象解析の一例を示した。

  • 山西 陽子, 市川 啓太
    2019 年39 巻154 号 p. 8-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

     本研究では,電界誘起気泡を用いた無針注射システムの開発を目的とし,試薬導入能力の評価と,導入能力向上のためのマイクロ気泡圧壊とそれに伴うマイクロジェットの可視化や対象zへの侵襲性評価を行った.気泡圧壊とそれに伴う衝撃波について高速度カメラとシュリーレン法による可視化を行い,現状のバブルインジェクターにおける試薬導入能力は深さ方向に400µm程度であることが確認された.このようなバブルメスをはじめとしたマイクロデバイスの開発が進むと,生物学や遺伝子工学の研究をさらに容易にし,医療現場だけでなく,薬の研究や動植物の品種改良などでも,大きな後押しになるのではないかと期待されている.マイクロナノという特異な空間では思いもよらない現象が起こることも多いため,エンジニアとしての常識にとらわれず,さまざまな現象に関心を持ちながら研究を進めていくことが,医用工学の進化に重要である.

  • 佐藤 暁子
    2019 年39 巻154 号 p. 14-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

     マイクロ・ナノスケールの研究で使われる材料やその反応などは,肉眼で見ることが難しい.これらを伝える手段として顕微鏡写真や化学記号等があるが,それだけで他者に理解して貰うには限度がある.そこで欠かせないのがイラストやCGなどのビジュアルである.筆者は微細加工が得意な科学研究室に所属するサイエンスビジュアライザーであり,科学研究を可視化するということを生業としている.ここでは筆者が描いてきたグラフィックデザインの一部を紹介する. また科学先端機器を使用して制作したアート作品「マイクロサイズの心臓彫刻」「原子間力顕微鏡で作成した極小アニメーション」,バイオ素材を使った「細胞の雪が降る脳型スノードーム」を紹介する.マイクロ・ナノスケールだからこそできる表現や, このサイズだからこそ感じられる面白さを,作品を通してお伝えしたい.

  • 荒井 規允
    2019 年39 巻154 号 p. 19-25
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    近年,コンピュータシミュレーション技術の発達によって,これまで取り扱うことのできなかった様々なシステムの再現,可視化が行われるようになってきた.散逸粒子動力学(DPD)法は分子シミュレーションの一種だが,原子や分子をある程度一纏めとして扱うことで,従来の分子シミュレーションよりも大きな時空間スケールの現象を再現できる.本稿では,DPD法の歴史,アルゴリズムを簡単に説明したあと,これまで筆者が対象としてきたいくつかのソフトマター材料(界面活性剤,ナノ粒子,液晶,高分子膜・生体膜)に対するDPDシミュレーションについて紹介する.

  • ―周波数変調型原子間力顕微鏡による固液界面の分子スケールその場観察―
    荒木 優希, 小林 圭, 山田 啓文
    2019 年39 巻154 号 p. 26-31
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

     近年,固液界面水の微視的構造を測定する技術が発展し,無機鉱物から有機分子までさまざまな物質表面の溶媒和構造が明らかになっている.本稿では,界面水の空間分布を分子スケールで可視化できる液中動作型周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いた水和構造の観察例を紹介する.炭酸カルシウム結晶の観察では添加物による水和構造変化を,粘土鉱物の観察では水和構造のカチオン種依存性について説明しながら,固液界面の微視的観察が今後どのようなトピックに波及していくか,その展望について述べる.

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