可視化情報学会誌
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パターン光照射時間分解位相差顕微鏡の開発
―光触媒・太陽電池材料の光励起キャリヤを可視化する―
片山 建二
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2020 年 40 巻 159 号 p. 10-13

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抄録

太陽電池や光触媒材料の多くは,半導体の微粒子で構成される.このような半導体微粒子を焼結して作られた半導体微粒子膜は,構造ひいては物性の不均一性をもつ.本研究では,このような構造・物性の不均一性をもつ光デバイス材料の光励起キャリヤのローカルな物性を明らかにするために,新しい時間分解顕微分光手法を開発した.励起・照明光にパルス光を用いてナノ秒の時間分解能を持つ位相差顕微鏡を開発した.また,励起光を任意のパターン状にできることで,得られる微弱な屈折率変化画像を画像再構成できるようにした.画像再構成には画像中の特徴量を利用した主成分分析やスパース性を利用した方法を用いた.得られた時間分解画像からローカルな拡散係数と寿命について,データ同化を用いて物性値マッピングを可能にした.

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© 2020 社団法人 可視化情報学会
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