日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
バレイショ混合サイレージの給与が肥育豚の発育と血清生化学成分に及ぼす影響
嶋澤 光一本多 昭幸尾野 喜孝
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2009 年 52 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

筋肉内脂肪含量の多い高品質な豚肉生産を目的にリジン含量を日本飼養標準・豚におけるリジン要求量の80%程度になるように調製したバレイショ混合サイレージの給与が肥育豚の血清生化学成分に及ぼす影響を調査した.バレイショ混合サイレージを給与する8頭(バレイショ給与区)と市販配合飼料を給与する7頭(対照区)に区分けし,試験飼料給与開始前,給与開始後5および10週の血清生化学成分を調査した.増体量はバレイショ給与区が対照区より有意に劣るが,飼料要求率に差は認められなかった.血清生化学成分において,総蛋白質(TP),アルブミン(Alb)および尿素態窒素(BUN)はバレイショ給与区が対照区より有意(P<0.01)に低かったが,γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT),アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST),乳酸脱水素酵素(LDH),総コレステロール(T-Chol)および高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)では飼料による違いは認められなかった.またこれらの血液生化学成分値は概ね正常値の範囲であり,と畜検査においても内臓等に異常は認められなかった.以上の結果,筋肉内脂肪含量の高い高品質豚肉生産を目的にリジン含量を要求量の80%程度に調製したバレイショ混合サイレージの豚への給与は,発育はやや劣るものの,健康に悪影響を及ぼす可能性は低いことが示唆された.

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© 2009 日本暖地畜産学会
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