日本暖地畜産学会報
Online ISSN : 2185-1670
Print ISSN : 2185-081X
ISSN-L : 2185-081X
原著論文(一般論文)
佐賀黒毛和種牛におけるEDG1遺伝子の1塩基置換と枝肉形質との関連性
和田 康彦林田 瑠美子礒兼 妙子片渕 直人大坪 利豪山田 宜永佐々木 義之
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 2 号 p. 037-041

詳細
抄録

ウシのEDG1遺伝子は脂肪交雑責任遺伝子の候補として研究が進められており,EDG1の1塩基置換(+166A/G)が大分系統の黒毛和種集団で脂肪交雑と相関を持つことが報告されている.そこで,EDG1の1塩基置換と佐賀県で生産された黒毛和種の種雄牛と繁殖基礎雌牛の枝肉形質の育種価推定値との関連性について検討した.また,QTL解析に利用している佐賀県産種雄牛の糸晴栄の去勢息牛についても枝肉形質との関連性を検討した.種雄牛と繁殖雌牛の遺伝子型はAA 14頭,AG 14頭,GG 5頭であった.分散分析の結果,遺伝子型の効果は牛脂肪交雑基準(BMS)では1%水準で有意であり,ロース芯面積では5%水準で有意であった.BMSではGG型がAA型やAG型よりも有意に大きなBMSの値を持つことが示された.去勢息牛229頭の1塩基置換の遺伝子型は,糸晴栄がAA型で,去勢肥育牛ではAA型 100頭,AG型 129頭であったが,分散分析の結果では,遺伝子型の効果はすべての枝肉形質において有意性が認められなかった.

著者関連情報
© 2009 日本暖地畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top