日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
黒毛和種去勢牛を用いた周年放牧育成後のトウモロコシサイレージ主体肥育による増体と肉質
中村 好徳平野 清中西 雄二常石 英作加藤 直樹神谷 充山田 明央
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2009 年 52 巻 2 号 p. 029-036

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抄録
良質な改良草地(夏期:ギニアグラスおよび冬期:イタリアンライグラス)で周年(昼夜)放牧により育成された黒毛和種去勢牛7頭(同一種雄牛)を用いて,体重539.1±15.3 kgからトウモロコシサイレージと市販配合飼料を乾物比3:7で組み合わせて給与した仕上げ肥育を行った.日増体量(DWG)は,仕上げ肥育期間で0.95±0.02 kg/日,ライフステージで0.74±0.02 kg/日であった.仕上げ肥育期間中の市販配合飼料の摂取量は,湿重量で1,115.8±68.2 kg/頭(6.1±0.1 kg/頭/日)であった.しかし,自家調製したコーンサイレージの平均タンパク質含量は7.9%であり,補助飼料として用いた市販配合飼料(18.2%)より低かった.放牧期に比べて仕上げ肥育期では,特に血漿中レチノール,β-カロテンおよびα-トコフェロール含量が激減(P<0.05, 0.01)した.出荷体重714.7±4.1 kgでの屠畜成績は変動が大きく,A-3(n=1),A-2(n=3)およびB-2(n=3)の格付けで,リブロース中の平均脂肪含量は16.3±1.3%であった.本研究により,周年放牧育成牛を用いたトウモロコシサイレージ主体肥育は,市販配合飼料と乾物割合30%のトウモロコシサイレージの組み合わせで,良好な発育を示すことが明らかになった.
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© 2009 日本暖地畜産学会
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