日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
播種法の違いが無出穂条件における夏季放牧草としてのBrachiaria brizantha cv. MG5の生育に及ぼす影響
金子 真中村 好徳山田 明央
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2012 年 55 巻 1 号 p. 41-47

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抄録

パリセードグラスが出穂しない気候の地域において,イタリアンライグラス立毛中に不耕起播種したパリセードグラスの放牧条件下での生産の特徴を解明することを目的とし,不耕起播種区(リノベータ区)と耕起播種区(対照区)を各3区(1区:25 m×25 m)設け,発芽率,地上部現存量および植生を比較した.発芽率はリノベータ区の方が低い傾向を示し,イタリアンライグラス立毛中への不耕起播種では,播種工程が阻害される可能性が示唆された.初期生育はリノベータ区の方が耕起区に比べて劣り,イタリアンライグラスおよび雑草との競合による影響が考えられた.入牧時(播種56日目)のパリセードグラス地上部現存量は,耕起区の方がリノベータ区よりも多かった.入牧41日目以降,リノベータ区の方がパリセードグラス地上部現存量は多くなり,放牧牛による踏倒しは少なかった.また,9月中旬以降は気温の低下に伴って生育量が低下することも示唆された.

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© 2012年: 日本暖地畜産学会
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