日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
福岡県におけるWCS用イネ品種「まきみずほ」の栽培特性ならびに気候条件を考慮した適期収穫期間の拡大効果
手島 信貴柿原 孝彦
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2012 年 55 巻 2 号 p. 149-155

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抄録

福岡県において,ホールクロップサイレージ(WCS)用イネ栽培の更なる普及拡大には,異なる早晩性品種の組み合わせによる適期収穫期間の拡大が有効と考えられる.広く普及している極晩生品種「タチアオバ」との組み合わせに適した早生品種の中で,九州地域に適した「まきみずほ」が近年開発された.この「まきみずほ」について,栽培試験および気候条件による作業リスクの評価を行い,従来からの早生品種「ホシアオバ」と比較した収量性,耐倒伏性,飼料適性等の有利性や,気候条件を考慮した適期収穫期間の拡大効果を検討した.その結果,以下の点が考えられた.1)「まきみずほ」は「ホシアオバ」より耐倒伏性や飼料適性が優れている可能性がある.2)「まきみずほ」と「タチアオバ」の作付面積比は,気候条件を考慮すると4:6とするのが望ましく,「まきみずほ」の活用により適期収穫期間は「タチアオバ」単作時の1.7倍の34日間に拡大できる.

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© 2012年 日本暖地畜産学会
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