烏骨鶏は古来より薬用鶏として珍重されており, 我が国でも高値で取引されているが, 就巣性があるため産卵率が著しく低く生産効率が悪い. 2番染色体上に位置するプロラクチンやVIP受容体遺伝子1, neuropeptide Y遺伝子などの候補遺伝子が就巣性や産卵率, 初産日齢に関連するという報告がある. これらの遺伝子マーカーによる改良の可能性を探るために, 産卵率で選抜された烏骨鶏選抜第5世代について各マーカーの遺伝子型判定を行い, 生産形質との関連性について検討した. その結果, 日齢体重や産卵率, 平均卵殻強度のすべての形質で父鶏の効果が1%水準で有意であったが, 候補遺伝子のマーカーの遺伝子型の効果は有意ではなかった. 分散分析での父鶏の効果が有意であることから, 大分県の烏骨鶏選抜集団においては, 産卵率の遺伝変異が残っており, さらなる選抜の可能性があることから, 産卵率などのQTLが検出されている領域などについて, さらに検討する必要があると考えられた.
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