2013 年 56 巻 1 号 p. 1-5
平成22年4月20日に国内として10年ぶりに発生した口蹄疫は、宮崎県の中央部に位置する都農町 の繁殖和牛農家で確認され、その後急速に感染が拡大した.また国内初のブタの発生も認められ,最終的に297,808頭もの家畜が殺処分され,甚大な被害となった.口蹄疫は海外悪性伝染病で周辺の諸外国でも発生がある中,初発は黒毛和種の繁殖牛であったが,8日後に増幅動物であるブタが発症し,その後発生件数および発生頭数が漸次増加したため,結果的に292件が発生し,終息までに129日を要した.5月22日には、感染拡大を防ぐため日本初のワクチン接種も行なわれ,発生家畜で210,714頭,ワクチン接種家畜で87,094頭の合わせて297,808頭が殺処分された.今回,起こった甚大な災害は多くの教訓を残し,発生を前提とした対応策が検討された.