日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
八重山地域・黒島における 暖地型イネ科牧草の生育特性と適草種の選定
水町 進宮城 尚屋良 朝宣新城 健川本 康博
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2013 年 56 巻 1 号 p. 35-42

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抄録

八重山地域・島尻マージの造成草地において,本地域の既存の基幹3草種であるギニアグラス品種 ガットン(Panicum maximum Jacq. cv. Gatton),ジャイアントスターグラス(Cynodon nlemfuensis Vanderyst)およびローズグラス品種カタンボラ(Chloris gayana Kunth cv. Katambora)を含む暖地型イネ科牧草計11草種・品種の乾物生産性を3年間比較し,栽培適草種の選定を行った.主成分分析の結果,第2主成分までの累積寄与率は91%であり,第1主成分は潜在的な乾物生産性の高さを,第2主成分は耐旱性をそれぞれ示していると解釈された.本地域における基幹草種と比較して,ブッフェルグラス品種ビオーエラ(Cenchrus ciliaris L. cv. Biloela)およびパンゴラグラス品種トランスバーラ(Digitaria decumbens cv. Transvala)は収量性や耐旱性に優れていることから,新規導入草種として有望であると考えられた.特にブッフェルグラスは耐旱性が高く,本地域への適応性が高い草種であると考えられた.

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© 2013年日本暖地畜産学会
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