八重山地域・島尻マージの造成草地において,本地域の既存の基幹3草種であるギニアグラス品種 ガットン(Panicum maximum Jacq. cv. Gatton),ジャイアントスターグラス(Cynodon nlemfuensis Vanderyst)およびローズグラス品種カタンボラ(Chloris gayana Kunth cv. Katambora)を含む暖地型イネ科牧草計11草種・品種の乾物生産性を3年間比較し,栽培適草種の選定を行った.主成分分析の結果,第2主成分までの累積寄与率は91%であり,第1主成分は潜在的な乾物生産性の高さを,第2主成分は耐旱性をそれぞれ示していると解釈された.本地域における基幹草種と比較して,ブッフェルグラス品種ビオーエラ(Cenchrus ciliaris L. cv. Biloela)およびパンゴラグラス品種トランスバーラ(Digitaria decumbens cv. Transvala)は収量性や耐旱性に優れていることから,新規導入草種として有望であると考えられた.特にブッフェルグラスは耐旱性が高く,本地域への適応性が高い草種であると考えられた.