日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
熟期の異なるホールクロップサイレージ用イネ品種の組み合せが収穫調製作業を行うコントラクターの経済性に与える効果
手島 信貴 宮川 創柿原 孝彦
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2015 年 58 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

ホールクロップサイレージ(WCS)用イネの収穫調製作業を受託するコントラクターの経済性に与える,異なる熟期のイネ品種の組み合わせによる適期収穫期間拡大の効果を現地事例調査や栽培試験成績 等より検討した。その結果、機械導入時に公的助成を受けた場合、作業料金を2,500 円/ 個とすると、極晩生品種「タチアオバ」のみでは損益分岐点稼働量を達成できなかったが、早生品種「まきみずほ」、極早生品種「夢あおば」の組み合わせでこれを超えることが可能と試算された。よって異なる熟期の品種の組み合わせは、コントラクターの経営安定化に寄与すると考えられた。一方、機械更新時は公的助成が受けられないため、3 品種の組み合わせでも損益分岐点を超えることができず、この対策としてWCS 用麦類を組み合わせた更なる収穫期間の拡大や、作業料金単価の向上を可能とするイネWCS 飼料価値の向上が必要と考えられた。

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© 2014年 日本暖地畜産学会
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