2015 年 59 巻 1 号 p. 43-45
牛枝肉取引規格を用いて,同じ2 等級同士を比較し周年放牧肥育牛と慣行肥育牛の肉質を区 別できるかについて検討した.周年放牧肥育牛(19 頭:褐毛和種去勢雄牛)ならびに慣行肥育牛(33 頭:褐 毛和種去勢雄牛,17 頭:ホルスタイン種去勢雄牛)を用いて,肉質等級2 等級同士を比較したところ,牛枝 肉取引規格11 項目中9 項目で周年放牧肥育牛と慣行肥育牛の間で違いが見られ(P < 0.05),特に周年放牧肥 育牛は牛肉色基準および牛脂肪色基準の値(No.)が高かった(P < 0.05).また,周年放牧肥育牛と慣行肥育 牛(褐毛和種およびホルスタイン種)について判別分析における正答率はそれぞれ100%であった.これらの ことから,現行の枝肉評価方法を用いて同じ等級でも周年放牧肥育牛の分類は可能であることが示唆された.