ヤギ汁の食味試験による官能評価を行う目的で、沖縄県内において最も普通に食されている手法で調理した
ヤギ汁を用いて、食味試験を実施した。食味試験は男性83 名、女性40 名の計123 名を無作為に抽出して実施
した。試験は味、香り、硬さ、および脂っこさの項目について5 段階評価(最も良い:2、良い:1、普通:0、
悪い:-1、最も悪い:-2)として、試食後に速やかに記入させた。
女性は男性に比べヤギ汁の肉を堅く評価し、さらに脂っこいと評価した(P < 0.05)。またヤギ汁肉に対す
る硬さは21-60 歳までが他の年代よりも有意に硬いと評価した(P < 0.05)。被験者の出身地では、地元の人が
県外の人よりもヤギ汁の匂いおよび総合評価において高く評価した(P < 0.05)。ヤギ汁の経験では、ヤギ汁
を好む人が未経験および嫌いとする人に比べ有意に味、香り、硬さ、脂っこさおよび総合評価の全ての項目に
おいて高く評価した(P < 0.05)。今回の試験から、ヤギ汁の経験が評価に大きな影響を与えていることが示
唆された。これらの結果から、今後、ヤギ肉の消費拡大を検討する場合、ヤギ汁の食経験をいかに拡げていく
かが重要であると考えられた。その上で、女性にも食べやすいような調理法の工夫などが必要であろうと考え
られる。
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