日本暖地畜産学会報
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原著論文(技術報告)
非通電状態の電気柵の放置はシカの通り抜けによる侵入を助長するか?
中村 南美子園田 正冨永 輝石井 大介柳田 大輝飯盛 葵松元 里志片平 清美稲留 陽尉塩谷 克典赤井 克己大島 一郎中西 良孝髙山 耕二
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2019 年 62 巻 2 号 p. 125-128

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抄録

本研究では,非通電状態の電気柵がシカの通り抜け行動の発現に及ぼす影響について検討した.飼育場(150 m2)内で,1)通電した電気柵(以下,通電区),2)非通電状態の電気柵(以下,非通電区),3)再通電した電気柵(以下,再通電区)をシカ 2 頭(推定年齢 1 歳:♂ ♀ 各 1 頭)に提示し,各区での行動を記録した.通電区での侵入阻止率は 60%,通り抜け率は 25%を示した.非通電区では,侵入阻止率の低下と通り抜け率の上昇がみられ,いずれも通電区との間で有意差が認められた(P < 0.05).再通電区での侵入阻止率は 36%と通電区よりも低い傾向を示し,通り抜け率は 56%と有意に高かった(P < 0.05).以上より,非通電状態の電気柵の放置はシカの通り抜けによる侵入を助長し,再通電してもシカの侵入を防止することが困難になる可能性が示唆された.

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© 2019 日本暖地畜産学会
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