日本暖地畜産学会報
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原著論文(技術報告)
氷点下の未凍結貯蔵が赤身牛肉の鮮度保持に及ぼす影響
中村 好德福間 康文細見 亮太細田 謙次
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2019 年 62 巻 2 号 p. 129-133

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抄録

氷点下(0℃,-1℃)の未凍結貯蔵が赤身牛肉の鮮度保持に及ぼす影響について調査するために,黒毛和種去勢雄牛 12 頭(屠畜時体重:307 ± 27 kg,同日齢:319 ± 6 日齢,肉質等級 1~2 等級)の半腱様筋を用いて,0~108 日間の貯蔵試験を行った.官能検査は 0℃貯蔵(108 日目)に異常(腐敗臭)が認められた.一般生菌数,低温細菌数ならびに嫌気性細菌数は貯蔵によりそれぞれ漸次増加したが規制値以下で推移した.pH,メトミオグロビン含量(メト化率),2-チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)含量ならびに揮発性塩基窒素(VBN)含量のうち,VBN 含量が貯蔵によりそれぞれ有意に増加し,特に,0℃貯蔵(108 日目)で有意に増加した.以上より,0℃よりも -1℃貯蔵では赤身牛肉の貯蔵性が異なり,可食期間の延長が可能であることが示唆された.

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© 2019 日本暖地畜産学会
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