2021 年 64 巻 2 号 p. 71-76
黒毛和種去勢肥育牛8頭を供試し,粗飼料として稲ワラを給与する対照区4頭と解砕竹粉サイレージを給与する試験区4頭に分け,19ヵ月齢以降における解砕竹粉サイレージの利用性を検討した.試験区では 23~26ヵ月齢で増体と飼料効率が鈍化し,特に飼料効率は26ヵ月齢でマイナスの値となった.その後,試験区の増体および飼料効率は改善した.試験区では20および24ヵ月齢で有意に低い反芻行動型割合を示した(P<0.05)が,ルーメン内溶液pHは同等であった.粗飼料価指数(RVI)は20ヵ月齢時に試験区で対照区の半分以下の値を示した.両区の枝肉成績は同等であった.以上より,解砕竹粉サイレージを黒毛和種去勢肥育牛に19ヵ月齢以降給与した場合,一過性の増体停滞がみられるものの,稲ワラと遜色ない発育および枝肉成績が得られることが明らかとなった.