日本暖地畜産学会報
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短報論文
ワイヤーメッシュ柵に対するアマミノクロウサギの行動反応
髙山 耕二大牟田 愛中村 南美子落合 晋作秋元 哲鈴木 真理子河合 渓赤井 克己中西 良孝
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2021 年 64 巻 2 号 p. 77-80

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抄録

本研究では,アマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)の農地への侵入防止法確立に向けた基礎的知見を得ることを目的とし,飼育アマミノクロウサギ3頭に対して高さ90cmのワイヤーメッシュ柵(目合5×5cm)を提示し,その行動反応を明らかにした. 柵設置後3日間で3頭のアマミノクロウサギは延べ74~179回柵に接近し,柵の上部を見上げる,柵のにおいを嗅ぐ,柵を噛むという3つの探索行動を示した後,多くの場合で後退して侵入を断念した.その一方で,1頭は跳躍(1回),もう1頭は登攀(16回)による侵入を試み,後者では1回,柵を乗り越えて反対側への侵入に成功した.以上より,アマミノクロウサギは高さ90cmのワイヤーメッシュ柵に対し,視覚,嗅覚ならびに触覚的な探索を示すとともに,跳躍または登攀により侵入を試みることが明らかになった.

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© 2021 日本暖地畜産学会
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