本研究では,タンカン摘果果実がニワトリの骨格筋の脂質過酸化度,ドリップロスならびに色調に及ぼす影響を調べた.トウモロコシと大豆粕を主体とした飼料(基礎飼料)またはタンカン摘果果実の乾燥粉末添加飼料(2.0%添加飼料および4.0%添加飼料)をチャンキー系(Ross308)雄ヒナに15日齢から14日間給与し,その間の体重と飼料摂取量を測定した.28日齢時にと殺し,浅胸筋,大腿部,腹腔内脂肪組織,心臓および肝臓の重量を測定した.試験期間中の増体量,飼料摂取量ならびに試験終了時の体重および組織重量にはタンカン摘果果実の飼料給与の影響は認められなかったが,飼料要求率は4.0%添加区で有意に高くなった.一方,浅胸筋の脂質過酸化度は,タンカン摘果果実の飼料添加により有意に低下した.浅胸筋のドリップロスは,タンカン摘果果実の飼料添加濃度に依存して低下し,4.0%添加区において有意に低くなった.加えて,タンカン摘果果実の飼料添加は,浅胸筋の赤色度およびα-トコフェロール含量を有意に増加させた.以上の結果より,タンカン摘果果実の飼料添加は,飼養成績には影響しなかったが,浅胸筋の脂質過酸化度およびドリップロスを低下させ,その赤色度およびα-トコフェロール含量を高めることが明らかとなった.