日本暖地畜産学会報
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短報論文
柵上部の折り返しはアマミノクロウサギの跳躍ならびに登攀による侵入の防止に有効か?
中村 南美子大牟田 愛落合 晋作秋元 哲鈴木 真理子河合 渓秋山 雅世赤井 克己中西 良孝髙山 耕二
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2023 年 66 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

本研究では,飼育アマミノクロウサギを用いて柵上部の折り返し長さと角度が跳躍ならびに登攀による侵入の防止に及ぼす影響について検討した.高さ50,75および100cmのワイヤーメッシュ柵(目合い:縦4cm×横5cm)を飼育個体にそれぞれ3日間提示したところ,高さ50cmでは跳躍による侵入がみられた.次に,上部に10,15および20cmでそれぞれ45°および90°の折り返しを設けたいずれも高さ50cmのワイヤーメッシュ柵(目合い:縦5cm×横4cm)を同様に提示したところ,跳躍による侵入はいずれの柵においても防ぐことができなかったが,登攀による侵入は15または20cmで45°または90°の場合に防止することができた.これらの結果から,上部に長さ15cm以上,角度45~90°の折り返しを設けた高さ75cm以上の柵はアマミノクロウサギの跳躍と登攀による侵入の防止に有効である可能性が示された.

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© 2023 日本暖地畜産学会
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