西日本畜産学会報
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ギンネムサイレージの有機酸組成とミモシン含量に及ぼす糖蜜添加の影響
本郷 富士弥多和田 真吉川島 由次砂川 勝徳
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1987 年 30 巻 p. 54-59

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抄録

本試験は糖蜜の添加量を変えて各種のギンネムサイレージを調製し, 埋蔵過程におけるpH値, 有機酸組成およびミモシン含量の経時的変化を測定することによってサイレージとしての利用価値について検討した。得られた結果は次のとおりである。1) ギンネム茎葉部のみを材料としてサイレージを調製した場合, 埋蔵期間の経過に伴うpH値の低下や有機酸の生成は極めて緩慢であり良質のサイレージは得られなかった。しかし, 糖蜜を10%および15%添加することによってpH値の低下や有機酸量の生成が著しく, 10%添加区では埋蔵後21日目より, また, 15%添加区では14日目よりそれぞれpH値は4.0まで低下し, 有機酸含量も3.4%および3.2%と増加し, その後70日目まで安定した値を示し良質のサイレージが得られた。2) ギンネムサイレージの埋蔵期間の経過に伴うミモシソ含量の減少効果の有無を検討した結果, 茎葉部のみを材料とした区および糖蜜を添加した区のいずれの試験区においても発酵初期の7日目頃までの減少が著しく, 埋蔵後70日目における減少率は約90%であった。
以上の結果, 今回ミモシン含量を減少させたサイレージ (糖蜜10%添加, 21日間埋蔵) ペレットを調製したので次回には本ペレット給与を含めた動物試験を実施し, ギンネムの効率的な利用法を確立するための実験を計画中である。

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