泌乳牛の繁殖成績向上への知見を得るため, 1999~2005年における福岡県の牛群検定データを解析した.泌乳成績および体重は増加, 繁殖成績は低下傾向にあり, 濃厚飼料によるTDNおよびCP充足率は低下傾向にあった.分娩間隔は, 体重, 乳蛋白質率および無脂固形分率と相関が (P<0.05) , 空胎日数は, 体重との問に0.899, 乳脂率との間に0.928, 無脂固形分率との問に0.889の相関係数が得られ (P<0.01) , 乾物要求量 (P<0.01) , TDNおよびCP要求量 (P<0.05) , 濃厚飼料によるTDNおよびCP充足率 (P<0.05) との間にも有意な相関が見られた.分娩後初回授精日数は, 体重 (P<0.05) , 乳脂率 (P<0.05) , 乳蛋白質率および無脂固形分率 (P<0.01) との間に有意な相関が認められた.以上より, 繁殖成績を向上させるには, 高泌乳牛に対応した飼養管理が重要と考えられた.