西日本畜産学会報
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飼料イネとファジービーン混合サイレージの発酵品質ならびに乳牛への給与が乳生産に及ぼす影響 (予報)
飛佐 学中野 豊古澤 弘敏梶原 良徳安河内 幸一道端 奈穂子望月 俊宏岡野 香名田 陽一下條 雅敬増田 泰久
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2007 年 50 巻 p. 83-89

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抄録

飼料イネ (Tetep) と暖地型マメ科牧草ファジービーン (以下Pb) との混合がサイレージの発酵品質ならびに乳牛における生産性に及ぼす影響について検討した.Tetepサイレージは乾物率が高く, 有機酸の生成が少ないが良質なサイレージとなり, Tetep・Pbサイレージは乾物率が低く, 全窒素に対する揮発性塩基態窒素比率 (VBN/TN) が高く, V-SCOREの低いサイレージとなった.Pbの可消化養分総量 (TDN) および粗蛋白質 (CP) はTetepより高いため (TDN; 65.0%, CP; 15.0%) , Tetep・PbサイレージのTDNおよびCPはTetepサイレージより高い値となった.Tetep・Pb給与区の平均乳量は対照区 (イタリアンライグラスサイレージ給与) と同様であるが, 乳脂肪含有率は, Tetep給与区で高く, Tetep・Pb給与区が対照区よりやや低い傾向となった。また, 乳蛋白および無脂固形分 (SNF) 含有率はTetep・Pb給与区がTetep給与区より高く, いずれも対照区よりやや高い値を示した.血液性状については, 総蛋白, 総コレステロール, 尿素窒素およびグルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ (GOT) においてTetep・Pb給与区が対照区よりやや高い値を示したが, 臨床上問題となるような値ではなかった.ルーメン液性状については, 酢酸における総VFA中のモル比率はTetep・Pb給与区が対照区よりやや低い値を示したが, 酪酸および吉草酸における総VFA中のモル比率はTetep給与区およびTetep・Pb給与区が対照区よりやや高い値を示した.アンモニア態窒素濃度についてはTetep・Pb給与区が対照区より有意に高い値を示した.

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