水資源・環境研究
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研究ノート
ダム湖の活用と水源地域活性化
「ダム湖利用実態調査」に基づく分析から
浜本 篤史
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2009 年 22 巻 p. 47-56

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抄録
本稿では、国土交通省が1991年度以来、3年おきに実施している「ダム湖利用実態調査」の公開データから二次分析を試みた。その結果、1ダムあたりのダム湖利用者は減少しており、特に、管理段階に入って一定期間が経過したダムにおける減少傾向が確認された。一方、利用目的別データをみると、スポーツや散策の利用は増えておらず、従来からその潜在的可能性が期待されてきた水上スポーツやエコツーリズムが伸びていない。
 また、利用者数が多いダムの条件として、大都市近郊という立地や施設充実度といった要因だけでは十分説明できず、活性化の担い手や組織体制、イベント運営とその志向性について今後さらに把握する必要があることも示唆された。同時に、各ダムの個別データを詳細にみていくことで、全国画一的な水源地域活性化ではなく、各地の特性や条件にみあった特色のある水源地域活性化の在り方が今後模索される必要があることを論じた。
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© 2009 水資源・環境学会
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