水資源・環境研究
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特集論説
日本企業におけるサステナビリティ会計と自然資本
岡 照二
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2022 年 35 巻 1 号 p. 15-23

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抄録

本稿は、持続可能な社会における日本企業の環境経営について、会計学の視角から規範的研究を中心に考察した。まず、環境省による『環境会計ガイドライン』の内容・導入状況を確認し、環境会計の現在地を明らかにした。また、環境会計からサステナビリティ会計への展開について、環境会計研究の第一人者である山上達人教授の見解から、筆者らによるサステナビリティ会計の意義を検討した。つぎに、サステナビリティ会計の中でも自然資本に注目した。欧州・日本の自然資本に関する研究を考察し、特に『自然資本プロトコル』の内容・事例を紹介した。さらに、近年注目されているTCFDおよびTNFDによるリスクと機会に関するフレームワークについても言及した。最後に、現在、日本企業はTCFD賛同、CDP評価、自己表明型統合報告書発行、SDGs表明などサステナビリティに関するレポーティングが中心になっているが、マネジメント・コントロールについても効果的に実施しなければならない。

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© 2022 水資源・環境学会
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