水資源・環境研究
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市民が見た遠州海岸の海岸浸食
田渕 直樹
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2007 年 20 巻 p. 63-72

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抄録

全長117kmの遠州海岸全体で海岸浸食が発生している。一般市民がその海岸浸食を知ったのは2003年であり、佐久間ダムが完成した約50年後のことである。その原因はダム堆砂による流砂源の涸渇、そして防波堤新設による漂砂の遮断である。これに対して行政は1960年代から離岸堤や消破堤を建設してきたが浸食は止まっていないし、専門家は1970年代からこの問題について調査・研究してきた。農業や漁業、出役などで日々川や海に接していた旧住民は60年代に海岸浸食を知っていたが行動を起こすことはなく、川や海に接する機会がなかった新住民のうち能動的な市民団体やサーファー達は、2003年を起点に堆砂垣や養浜活動に取り組んでいる。両者の長所を兼ね備える方法はないか。

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