木材保存
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研究論文
水性木材保護塗料の耐候性能評価(Ⅳ)-塗替えによる寿命延長効果-
石川 敦子片岡 厚松永 正弘小林 正彦神林 徹松永 浩史川元 スミレ木口 実山本 健
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2017 年 43 巻 2 号 p. 80-89

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抄録
水性木材保護塗料について,塗替えによる寿命延長効果を検討した。既報において,スギまさ目試験片を水性6種類(半造膜形)と,比較対象として油性2種類(含浸形,半造膜形)の市販木材保護塗料で塗装し24ヶ月間の屋外暴露(暴露Ⅰ期)後,重ね塗り再塗装または研磨有再塗装を施し,再び屋外暴露試験(暴露Ⅱ期)を開始した。本報では,暴露Ⅱ期54~68ヶ月間(累計78~92ヶ月間)における試験片の色差と撥水度の変化を経時測定し,耐候性能を評価した。これらのデータから,寿命倍率(暴露Ⅱ期において撥水度または色差が寿命の目安に達するのに要する月数/暴露Ⅰ期において撥水度または色差が同目安に達するのに要する月数)を算出したところ,撥水度を指標とした場合,寿命倍率は重ね塗り再塗装で1.7倍,研磨有再塗装で2.3倍となり,研磨有再塗装で寿命延長効果が高いことが示された。また,塗替え前の性能順位と塗替え後の性能順位は比較的相関が高いことも明らかになった。
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© 2017 公益社団法人 日本木材保存協会
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