木材学会誌
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一般論文
強化LVL接合板および接合ピンを用いた木質構造フレームの開発(第3報)
柱梁強化LVL接合と柱脚金物接合による門型ラーメン架構の性能
中田 欣作小松 幸平
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2009 年 55 巻 4 号 p. 207-216

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抄録

強化LVL接合板と接合ピンを用いた柱梁接合部と柱脚金物に強化LVL接合ピン(B1 タイプ)あるいは丸鋼ドリフトピン(B2 タイプ)を用いた柱脚接合部を組合せた門型ラーメン架構を作製した。モーメント加力試験において柱梁強化LVL接合部はあそびが小さく粘り強い強度性能を示したが,柱脚金物接合部はあそびが大きく粘りのない接合性能を示した。門型ラーメン架構の水平加力試験では,柱梁接合部と柱脚接合部の回転剛性の比によりそれぞれにモーメントが分配され,柱梁接合部が降伏耐力に達した後に柱脚接合部が降伏耐力に達した。門型ラーメン架構の最大耐力および破壊形態は柱脚接合部により決定され,B1 およびB2 タイプの門型ラーメン架構の短期許容せん断耐力はそれぞれ8.0 kNおよび11.9 kNとなった。稲山式により求めた門型ラーメン架構の反曲点高さはひずみ度分布より求めた実験値とほぼ一致し,本式により耐力および変形の予測が可能であった。

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© 2009 一般社団法人 日本木材学会
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