2015 年 61 巻 1 号 p. 33-39
ボルトで接合された木材接合における締付け速度がトルク係数に及ぼす影響を調べるために,締付け速度を5段階に設定して締付け試験を木造建築物に使われる針葉樹4種を用いて行った。締付け速度の増加に伴いトルク係数は減少傾向を示し,20rpmで樹種間の差異は小さくなることが明らかとなった。この傾向は,コントロールである木材を挿入しない金物のみの結果と同様であった。このことから,木材のボルト接合の締付けトルク設定に必要なトルク係数は,木材を挿入しない金物のみの締付け試験から算出されるトルク係数を採用しても実用上は問題ないことがわかった。さらに,締付け速度を20rpmに設定するとトルク係数のばらつきが小さくできることがわかった。