副田先生は,人間と社会の本質を理解する学問として社会学の有効性を信じ,理解に重点をおいた社会学をめざしていた.そして,先生自身の自己実現のために,福祉社会学をはじめとする社会学的研究の進歩のために,理解し表現するというプロセスをふくむ,社会学の「論文を書く」努力を怠らなかった.その努力のなかで発揮された理解は,全体と部分のリアリティに迫る緻密なものであり,表現は,社会学の制約に拘泥しない自由で開拓的なものであった.先生はこれらを意識的かつ積極的に活用し,現在・未来の読者の人間・社会の理解に貢献する仕事をしようとした. 先生の仕事から,後進のわたしたちが引き継いでゆけるものはなにか.本稿の考察からみいだされた答えは,対象理解とその表現方法についての学習をつうじて,自己実現と社会学的研究の進歩のために,一生懸命にたゆまず「論文を書く」努力の姿勢と実践である.