福祉社会学研究
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┃自由論文┃
都市周縁地域の子ども支援実践者におけるネットワークの調整と意味づけ
「つながりすぎない」実践からみる連携・協働の再考
桑山 碧実
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2026 年 23 巻 p. 109-133

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抄録

本稿は,子どもの貧困対策のもとで多主体の連携・協働が要請される今日,都市周縁地域の子ども支援実践者が⑴ 学校・行政との距離,⑵ 地域の子ども支援実践者同士の間の距離をいかに調整し意味づけているかを情報共有の側面から検討した.本稿は,福祉・教育課題と支援実践が集積する地域の子ども支援実践者 3 名へのエスノグラフィック・インタビューを行い,質的社会ネットワーク分析で語りを分析した.

分析の結果,第一に,⑴ 学校・行政との関係では,① 密接に関わりながらも情報共有の度合いをコントロールする実践と,② 直接的な関与を抑えて子どもの「逃げ場」を確保する実践が共存し,こうした距離の調整は学校・行政との権力関係を意識しつつ,子どもの意思と心理的安全を守るものとして意味づけられていた.第二に,⑵ 実践者間では情報を日常的に共有する一方,支援の目標や価値は一致させないことによって,多様な支援の選択肢を作り子ども自身が支援を選択できる余地を広げることが重視されていた.こうした多層的な距離の調整による「つながりすぎない」実践は,「学校や行政―地域」および「大人―子ども」の権力関係への対処とともに立ち現れ,コミュニティ全体として有機的に機能するよう意識して実践されていた.以上は,つながりの強化を善とする既存の連携・協働の議論の前提を相対化し,地域の生活世界に根ざしたオルタナティブな視座を提示した.

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