化学と生物
Online ISSN : 1883-6852
Print ISSN : 0453-073X
ISSN-L : 0453-073X
解説
ビタミンK研究のパラダイムシフト
吸収・代謝から新たな生物活性まで
須原 義智廣田 佳久
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 56 巻 1 号 p. 26-32

詳細
抄録

脂溶性ビタミンの一つであるビタミンKは一般に,γ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の補酵素として働き,血液凝固や骨形成に関与していることが知られている.近年ビタミンK同族体の一つであるメナキノン-4(MK-4)が,ほかのビタミンK同族体から変換されて各組織に蓄積していることが明らかにされた.そこで,ビタミンKにはいまだ解明されていない重要な生理的役割を果たしていると考えられるようになった.特に最近のビタミンK研究から,核内受容体のアゴニストとしての作用や脳神経の酸化ストレスからの保護作用などさまざまな作用が発見された.本稿ではMK-4が脳神経前駆細胞からニューロンへの分化を誘導する作用についても解説する.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top