2018 年 56 巻 6 号 p. 395-401
緑茶や紅茶,コーヒーなどの嗜好飲料は日常の食生活に密着した飲みものとして広く飲用されている.しかし,これらの飲料には覚醒や利尿などの作用を示すカフェインが含まれており,体質やシーンによっては飲用を控えなければならない制約があった.従来の原料からの溶出処理によるカフェイン除去技術では,カフェイン除去とおいしさや外観といった飲料品質の両立は難しいとされてきた.われわれは,天然吸着剤であるモンモリロナイトを用いて茶抽出液から選択的にカフェインを吸着・除去する技術を開発した.その特徴と汎用性,今後の展望について解説する.