2020 年 58 巻 4 号 p. 210-216
現在スーパーマーケットでは,1種類の食品だけでもさまざまな品種やメーカーブランドのものがバラエティ豊かに並んでいる.また,インターネット販売の拡大によって簡単に“お取り寄せ”ができ,われわれ消費者は自分たちで「好み」の食品を選択できるようになった.では,その「好み」を決定づけるのは何か? それはそれぞれの食品の本来もつ性質に対し,色や風味,機能性など,+α(アルファ)として強調されるものであり,多くの場合,その食品に含まれる成分組成の違いに基づく.本稿では,食品の成分組成にかかわる因子は何か? さらに食品の成分組成プロファイルに基づく評価から何が分かるのか? についてフードミクスを活用したわれわれのこれまでの研究を中心に紹介する.