抄録
本調査は文系の国際大学における大学生の情報リテラシーの現状と大学での情報教育の課題についての調査研究である。情報リテラシーという用語や定義およびその目指すものを回顧し,日本の高等学校の情報教科の設置や大学における情報教育の位置付けおよび関連の実態調査報告を踏まえる中で,国際大学生を対象とした調査報告は見当たらなかった現状などを鑑み,日本人学生と留学生を対象とするアンケート調査を行った。調査の結果,日本人学生に関するこれまでの先行結果と概ね整合しているが,同時にこれまで見られなかった新しい傾向があることがわかった。さらに,パソコンの習熟度の低い学生は,情報リテラシー向上のための動機付けや,コンピュータ・リテラシーの向上の情報教育が必要とされていることが本調査から示唆された。