抄録
本研究は湾口部や河口部等の津波対策として,電気動力および人的操作,判断を必要としない流起式可動防波堤の波の減勢効果を評価したものである.実大スケール(高さ20m,幅60m)の1/50模型を用いた水理実験により,波高の減衰率,流速の減勢率,堤体の固定ベルトへの作用張力(波力)の測定を行った.
その結果,波高の減衰効果は波高が大きいほど,効果的であることを確認した.また,長周期波に対する減衰効果の方が短周期波よりも効果的であることがわかった.流速の減勢については波高の減衰よりも効果的であり,津波の流動による港内での被害の軽減が期待される.一方,本防波堤の機構の要である固定ベルトに作用する張力については,短周期波による最大張力が比較的大きい値となったが,通常の直立防波堤に作用する波力を設計値として,引張強度を設計,製作することで対応できることを示した.