土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
多緩和時間モデルを用いた格子ボルツマン法による自由表面流れ解析の高精度化
佐藤 兼太越村 俊一
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_253-I_258

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抄録
 格子ボルツマン法の衝突演算子として広く用いられている格子BGKモデルは,プラントル数が一定値に固定されるという欠点から,自由表面流れの高精度解析が困難であることが明らかとなってきている.この問題に対して本研究では,格子ボルツマン法による自由表面流れ解析の高精度化に向け,多緩和時間モデルによる自由表面流れ解析手法を開発した.本研究の手法を用いて静水状態を保つシミュレーション行ったところ,本研究の手法は,格子BGKモデルに対して壁面境界条件の計算精度が向上し,水面を水平に保つことに成功した.また,ダムブレーク問題の再現計算を通じて,本研究の手法は流体の密度分布が滑らかとなり,自然な流体の挙動を,高精度に再現することが可能であることを明らかにした.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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