2017 年 73 巻 2 号 p. I_1237-I_1242
東京湾において静止海色衛星を用いた有色溶存有機物の光学特性(aCDOM)に基づく塩分分布推定を行うため,現地観測による光学観測の結果からaCDOM推定モデルを作成し,Bio-opticalモデルによるaCDOM推定適用範囲の検討を行った.その結果,aCDOM推定は粒子態の吸収係数の変化によって誤差が生じるものの,衛星画像へ推定モデル適用後において相対的に塩分を推定可能であることが分かった.さらに,衛星画像から推定された塩分分布の結果から,江戸川河口付近の低塩分水塊が船橋から浦安沖付近にかけて拡がる様子や,河川流量の増加時に荒川・隅田川・多摩川河口域から川崎沖にかけて低塩分水塊が拡がり,徐々に湾内の海水と混合していく過程が確認できた.