土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
確率台風モデルを援用した駿河湾における高潮の確率論的評価
安田 誠宏岩原 克仁平井 翔太中條 壮大金 洙列
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_253-I_258

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抄録
 堤防高の決定には津波と高潮・高波を比較する必要があるが,これまでは既往最大値や想定値に基づいて決定論的に外力が設定されてきた.本研究の目的は,確率論的なアプローチを用いて高潮の規模と生起頻度の関係を定量化することである.検討対象地域は,既設堤防の天端高が高潮により決定され,L2津波対策が進められつつある駿河海岸を含む駿河湾とした.全球確率台風モデルを用いて駿河湾を通る5000年分の仮想台風を抽出し,非線形長波モデルを用いて高潮伝播および氾濫シミュレーションを行った.駿河湾では中心気圧と高潮偏差にほぼ比例関係があることが示された.地域海岸ごとの高潮の規模と生起頻度の関係を算定し,駿河海岸における計画高潮偏差の再現期間が約270年であることを示した.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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