2017 年 73 巻 2 号 p. I_673-I_678
本研究では,三重県七里御浜の井田海岸を対象に,ネットワークカメラを用いて観測した汀線変動特性と波浪データを関係づけた判別分析を実施するとともに,UAVを用いたSfM-MVS測量による3次元地形変化解析を行った.その結果,Sobel Gradient法による汀線抽出手法によって効率的な汀線抽出が可能となったことを示した.また,判別分析により,人工リーフの背後地における汀線の前進,停滞,後退イベントを分類できることを示し,判別分析の有用性を明らかにした.3次元地形変化解析では,井田海岸に設置された人工リーフの効果が確認されたものの,うねりに対しては侵食軽減効果が十分でないことが判明し,うねりのような長周期波を考慮して侵食対策の評価を行うことの重要性が示唆された.